大東亜戦争を「アジア解放戦争だ」「自存自衛のための戦争だ」と言って肯定している連中はただの馬鹿

 大東亜戦争がアジア解放のための戦争だというのは、戦争を正当化するためのただの口実に過ぎないが、仮に戦争の目的が「欧米諸国に植民地支配されているインドや東南アジアの国を、その植民地支配から解放すること」であったとしても、この戦争を肯定している日本人がただの馬鹿であることにかわりはない。

 大東亜戦争の結果なにが生じたのか。

日本はアメリカに占領され、形式的に独立を達成したあとも、実質的にはアメリカの従属国になってしまったのである。

よその国を植民地支配から解放するといいながら、当の日本が戦争を仕掛けた国の従属国になってしまったのだから世話はない。

 

 大東亜戦争は自存自衛の戦争だという主張も同様である。

戦争の目的が自存自衛のためであったのなら、その目的を達成できたのか……。否。

戦争を仕掛けた相手国に占領され、その従属国になるという自存自衛とは正反対の結果をもたらしただけである。

 では自存自衛とやらの戦争を行わなければどうなっていたのか。

経済的に苦しい状態は何年も続いただろうが、少なくとも外国に占領され、その従属国に陥るという状況は避けられただろう。

 

 自国の自立や独立になによりもの価値をおいている人間ならば、日本がアメリカの従属国になるという結果をもたらした戦争を行った政治指導者たちは、真っ先に批判しなければならないだろう。

 ところが戦後日本で右翼や保守を自称している連中は、日本をアメリカの従属状態に陥らせた戦争を行った指導者たちを批判するどころか、戦争の目的が正しかったからと言って大東亜戦争を肯定・擁護・正当化しているのだから救いようがない。

 まあ、心の底では日本がアメリカの従属状態に陥ったことを喜んでいるのだとしたら、極めて理にかなった行為だけれどね。