選択的夫婦別姓制度に関して パート2

   (2015年12月記述)

  5年前にこの問題について記述した時はどっちでもいいと書いたが、現在は姓の制度に関して改正を加えるべきだという考えに変わった。

この問題の根本的な検討点は、結婚によって戸籍上の姓を変えたくないと考えている人の望みや自由を保障すべきか、それとも結婚したら夫婦は戸籍上の姓を同一にしなければいけないという、明治時代に制定された制度を固守すべきかという点だろう。

 

 現在の姓の制度は、結婚はしたいが、結婚後、姓を変えたくない人に対し、「結婚したいのなら、どちらかが姓を変えろ」「どちらも姓を変えたくないのなら、結婚するな」と二者択一を迫る形になっている。

現在までは、姓を変えたくないので籍をいれるのを諦めて事実婚を選択したカップルは少数であったため、結婚制度がそれなりに上手く機能してきたし、結婚後も姓を変えたくないと考える少数の人たちの望みや自由は無視されてきた。

 選択的夫婦別姓制度に反対している人たちは、今後、姓を変えたくないから結婚しないという選択をする人が多数派となって未婚率の増加、少子化の拡大という現象が生じても自説を主張し続けるのだろうか。

姓を変えたくない人が少数派の時は、その人たちの望みや自由を無視するのに、多数派となり、未婚率が増大したなら別姓を認める方針に転換するのではないだろうか。

(逆に言えば、そうような状況にならない限り、選択的夫婦別姓制度は導入されない可能性もある。)

 

 選択的夫婦別姓制度が導入されないのなら、次のような制度を検討すべきだろう。

1 姓を変えたくないので籍をいれず事実婚を選択している夫婦に対しては、役所に「事実婚」の届け出を出すことによって戸籍上の夫婦と同等の権利をあたえる制度を導入する。この場合は、事実婚を解消した場合は解消の届け出が必要となるが。

 

2 姓を変えたくない場合、自分の姓と配偶者の姓、二重に姓をもてる制度を導入する。

この場合、検討点として、子供も父方の姓、母方の姓、二重に姓をもてるのか、どちらか一つの姓を選択しなければいけない制度にするのかという点。

子供にも二重姓を認めた場合、二重姓同士のカップルが結婚する場合、姓が四つあることになるが、このことをどうすべきかなどという点がある。

 

 いずれにしろ、結婚はしたいが姓を変えたくない人の望みや自由も認める制度へと変更すべきだと考えるが、「姓を変えたくないので事実婚を選択している夫婦に対して、法律婚を選択した夫婦と同等の権利は与えるな。」「戸籍上の姓は一つであるべきだ。二重姓などは認められない。」と考える国民、政治家が多数派であるのが現状であるのかもしれない。

 

  *補注

 選択的夫婦別姓制度に反対する人たちは、子供の姓の問題を反対の理由にする人が多い。上記の二重姓の制度も、子供の姓の問題を検討点としてあげておいた。この点に関しての改善案を以下に記述する。

 

 結婚後、夫婦どちらかの姓を家族の姓とする。生まれた子供の姓は家族の姓とする。結婚しようとする夫婦がどちらとも戸籍上の姓を変えたくない場合、家族の姓にしなかった方は、元からの姓と配偶者の姓、二重に姓をもつことを可能とする。