国旗・国歌は必要か

 国旗・国歌が必要か不要かについては以下のような立場があるだろう。

1 国旗・国歌を不要とする立場。

2 オリンピックなどの国際的なスポーツ大会での使用に備えとりあえず制定しておくが、国旗・国歌を政治的に利用することには反対する立場。

 具体的には、「国旗・国歌をナショナリズム涵養の道具に使い、学校行事の際、国旗への敬礼や国歌の斉唱を義務付け、これに従わなかった教職員を処罰する」方針に反対することなど。

3 国旗・国歌をナショナリズム涵養の道具として積極的に利用しようとする立場。

 

 3の立場の人は右派・保守的な考えの持ち主に多くみられるが、彼らは左翼的な価値観に基づいた新国旗・新国歌が制定されたときには、この方針に反対するだろう。

 1の立場は、反国家・反ナショナリズム的な考えを持った人にみられる。

いつだったかはっきり時期は覚えていないが(90年代だったとは思うが)、読売新聞の国旗・国歌に関する記事で、浅田彰が「国旗・国歌は必要ない」といった主旨のコメントを寄せていたのが印象に残っている。

 

 私自身は2の考えをもっている。

国民の多くが国旗・国歌を不要だと考えるのなら、その意見を尊重するが、オリンピックなどのとき掲げる国旗がないと格好悪いような気がするので、便宜的に国旗や国歌を制定しておいた方がいいと考えている。

 といっても、日本の国旗・国歌は絶対「日の丸」「君が代」であるべきだなどと考えているわけではないから、「日の丸」「君が代」に代わる新国旗・新国歌を便宜的に制定することには反対しない。

ただし、新しく制定された国旗や国歌を政治的に利用することには断固反対する。

(まあ、革命でもおきて政治体制が根本的に変革したときは、新国旗・新国歌を制定しこれを政治的に利用し、新体制に対する忠誠心を国民に植え付けようとするだろうけれども。)